木村わいPのブログ

マグロおいしい

【ボカロPが語る】親作品登録のススメ

【はじめに】
いつも動画を見てくださっている皆様、ありがとうございます。
初めましての方は、初めまして。

ボカロ作品を投稿している木村わいPと申します。


おかげさまで、ここ数年は「歌ってみた」や「踊ってみた」など二次創作もしていただけるようになり嬉しく思っている反面 、ちょっと気になることがあるので、久しぶりに記事を書いてみました。

それはずばりコンテンツツリーの親作品登録についてです。


特に最近は適切な親作品登録が行われていないケースが散見されますので、
改めてまとめておきたいと思います。


なお以下に記載する内容は、ニコニコ動画内で二次創作や派生作品を投稿される全ての方に知
っておいていただきたいものとなっていますので、私の作品を利用する方に限らず読んでいただければ幸いです。


また、本記事はあくまでボカロP目線で書かれていますので、
エンタメ・音楽カテにフォーカスした記載になっていることをご了承下さい。



【1.コンテンツツリーとは?親作品とは?】
(ご存知の方は読み飛ばしていただいて構いません)

公式の説明によると、

「コンテンツツリーとは、二次創作の派生関係を管理・表示する機能です。作品の元になった作品(親作品)や、 作品が元となって作られた作品(子作品)などをツリー的に表示します。」

となっています。

動画等(※)を作成した際に、既にニコニコ動画に投稿されている動画等の一部または全部を利用した際には、 コンテンツツリーの親作品に、利用した動画等を正しく設定する必要があります。
※動画、静画、ニコニ・コモンズ素材


【2.なぜ親作品の設定が必要なの?】
では、なぜ親作品を登録する必要があるのでしょうか。
理由は、大きく2つあります。

(1)親作品作者への通知
親作品登録を行うと、親作品の作者(以降「原作者」と呼びます)に対して通知が届きます。
具体的には以下のように右上の通知アイコンが点灯し、そこから遷移する画面にて、具体的に「自分のどの作品が」 「誰のどの作品の」親作品に登録されたかを知ることが出来ます。




これはあくまで私の感覚論でしかないのですが、「自分の作品を利用した二次創作作品を見てみたい」という原作者は多いのではないでしょうか。
もちろん、「気にいらない・不適切な二次創作を排除したい」というネガティブな理由もゼロではないでしょうが、基本的には「どんな風に使ってもらったのか知りたい」「せっかく二次創作してくれたのなら、見てみたい」というポジティ ブな理由だと思います。


二次創作者側にとっても、せっかく利用させてもらったのだから、原作者に連絡したいな・・・でもわざわざメールやSNSのメッセージでお伝えするのも図々しいような気がして、気が引ける・・・という、もやもやした思いを抱えなくてよいというメリットがあります。
ステマティックに通知されるので、さりげなく原作者に二次創作したことをお知らせできるのです。


(2)親作品に対するクリエイター奨励スコアの「子ども手当」付与
親作品がクリエイター奨励プログラムに登録されていた場合、親作品自体へのポイントに加えて、子作品の人気度に応じたスコア(=子ども手当)も付与されます。

つまり、正しく親作品を登録していれば、自分の二次創作が人気になればなるほど、
原作者へスコアが付与されるのです。「原作利用料」みたいなものだと考えるとしっくりくるのではないでしょうか。
逆に言えば、二次創作を行ったにもかかわらず親作品を登録しないということは、
利用料を払わずに原作を無断利用している」と考えることも出来ます。
なお利用料とはいっても、親作品登録を行うことによって子作品のスコアが減ることはありませんので、二次創作者にとってのデメリットもありません。
また「子ども手当」は子作品がクリエイター奨励プログラムに登録しているか否かを問わず付与されますので、自身がクリエイター奨励プログラムを利用していないからと言って、親作品登録を怠ってはいけません

※「クリエイター奨励プログラム」や「子ども手当」がよく分からないは、以下の公式ヘルプをご参照ください
クリエイター奨励プログラムとは
子ども手当とは


【3.親作品登録はどうやって行うの?】

それでは、「親作品登録」を行う具体的な方法をお伝えします。

自分の投稿動画一覧画面から、
登録を行いたい動画の「コンテンツツリーの確認」を選択します。





②「親作品を登録する」または「コンテンツツリーの編集(※)」を選択します。
※既に親作品登録済またはオリジナル作品表明済の場合





③画面左の「親候補作品」で親作品に登録したい動画を選択します。
いろいろな選択方法がありますが、ここでは「IDから指定」の例を紹介します。





④「作品ID」に親作品のID(動画ならsm~、静画ならim~、素材ならnc~)を入力し、「+」を押します。
正しいIDを入力していれば、下に親作品が出てくるはずです。





⑤ドラッグ&ドロップで、親作品候補を画面右側の「親作品」の枠内に移動します。
なお、複数の親作品がある場合は③~④を繰り返します。
全ての親作品を設定し終えたら、「この内容でコンテンツツリーを作成する」を選択します。





⑥コンテンツツリー画面の「親作品」に、設定した親作品が全て表示されていれば完了です。





【4.ありがちな親作品登録漏れのパターン】
ここまで読み進めて、「親作品登録なんてちゃんとやってるわ!!!」という方も多いでしょう。
そんな方にこそ呼んできただきたいのが、この章の内容です。
実際に私の作品を利用した派生作品においても、ここで書いたパターンの登録漏れが多いのです。

コンテンツツリーには、「孫作品」「曾孫作品」という概念がありません。
どういうことかと言いますと、ある一次創作作品を利用した二次創作作品があり、
さらにその二次創作作品を利用した三次創作作品を投稿した場合、三次創作作品の親作品として二次創作作品を登録しても、一次創作の原作者へは「通知」は行われず、「子ども手当」も付与されません。


具体例でご説明します。

・ボカロPのAさんが、ボカロ曲aを投稿しました。
・ピアノ奏者のBさんが、aの演奏してみた動画bを投稿しました。
 Bさんはbの親作品にaを登録しました。
・歌い手のCさんが、演奏してみた動画bを伴奏にして、aの歌ってみた動画cを投稿しました。
 Cさんはcの親作品に弾いてみた動画bを設定しました。

この場合、Cさんが歌ってみた動画cを投稿したことは原作者のAさんに通知されず、
Cさんの子ども手当がAさんに付与されることもありません。

これが正しい状態でないことは明らかですよね?
それでは、Cさんはどのように親作品登録を行うべきでしょうか。

正解は、ボカロ曲aと演奏してみた動画bを両方とも親作品に登録する必要があります。

そうすれば、AさんBさん双方に通知が行われ、子ども手当も付与されます。


つまり、親作品には元となった全ての動画等を設定する必要があるのです。


以下に、親作品登録を忘れがちなパターンを列挙しますので、ご参考にしていただければ幸いです。
※あくまで例ですので、これが全てではありません。


(例1)ボカロ曲aのリミックス版a'を元に、歌ってみた等の二次創作を投稿した場合
 →a'だけでなく、原曲aの親作品登録を忘れずに!


(例2)ボカロ曲aのアレンジ版歌ってみたbをカバーして、歌ってみた等の二次創作を投稿した場合

 →bだけでなく、原曲aの親作品登録を忘れずに!


(例3)ボカロ曲aの歌ってみた動画を複数集めて、リレーや合唱動画を投稿した場合

 →歌ってみた動画だけでなく、原曲aの親作品登録を忘れずに!


(例4)ボカロ曲aの踊ってみた動画bの振付けを参考に、踊ってみた動画を投稿した場合

 →bだけでなく、原曲aの親作品登録を忘れずに!


(例5)ボカロ曲aの踊ってみた動画bからモーショントレースを行ったMMDモデルcを使い、MMD動画を投稿した
場合
 →cだけでなく、原曲aや踊ってみた動画bの親作品登録を忘れずに!

(例6)ボカロ曲aのニコカラ動画bやキー変更オケcを参考に歌ってみた動画を投稿した場合
 →bやcだけでなく、原曲aの親作品登録を忘れずに!
  ※なお、原曲作者がニコカラやキー変更オケ自体を快く思っていないケースもありますので、事前に確認することをお勧めします。


(例7)ボカロ曲aの演奏してみた動画bを、BGMとして利用した動画(旅動画、作ってみた等)を投稿した場合

 →演奏してみた動画bだけでなく、原曲aの親作品登録を忘れずに!



【5.ニコニコ運営へのお願い】
親作品登録が正しく行われないケースが増加した要因の一つとして、
動画投稿時に親作品が登録できなくなった」ことが挙げられるのではないかと思っています。

現在の仕様は、投稿者が親作品登録の必要性を知るきっかけが少なくなってしまう、
投稿後でないと登録できないので忘れてしまう、などのデメリットしかありません。

ぜひ以前のように、投稿前に親作品登録を行えるUIに戻していただけないでしょうか。
あくまで私の主観ではありますが、動画投稿者の方から同様の意見を多く耳にしております。



【6.さいごに】
長々とエラソーにご説明してきましたが、私はニコニコのプロフィールにも記載の通り、非営利目的の二次創作は歓迎しておりますし、
ニコニコ動画自体が二次創作や派生作品で盛り上がる文化とともに発展してきたとも思っています。

正しいコンテンツツリー登録の元、作者も視聴者も楽しめる二次創作・三次創作を作っていただければと思います。



P.S.

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